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#11「一体の人形を通じて想像する将来の夢」 Barbie Imagine the Possibilities –BBDO San Francisco

このコーナーでは、世界81カ国289拠点で構成されるBBDOのネットワークを活かして、弊社担当プランナーの独断と偏見で、近年世界のどこかで話題になったBBDOのケースをご紹介していきます。

Hello!!!
唐突ですが、女の子のロールモデルと言われてピンとくる人物とは誰でしょうか。
「フローレンス・ナイチンゲール」、「マザー・テレサ」、「マララ・ユスフザイ」など、歴史に名を刻み、世界を変えた女性が挙げられることと思います。では「バービー」はどうでしょうか。
「ん?」と思った方が多いと思います。
そこで、今回ご紹介するのは一見すると関係がなさそうな「バービー」と「ロールモデル」を結び付けたキャンペーンです。
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おおよそ50年間、全米で一番売れている人形といえばバービーでしたが、2010年代に売り上げは低迷。その一因として、ミレニアル世代*の母親たちは美しいだけで中身のない人形はわが子の良きロールモデルにならないとし、敬遠し始めたから。
*アメリカで、2000年代の初頭に成年期を迎えた世代のことをいう。(小学館 日本大百科全書)

そこで、BBDO San Franciscoに求められたのは「バービーは美しいだけで中身のない人形である」という消費者のイメージを払しょくすること。

キャンペーンをご紹介する前に、バービーの指名はご存じでしょうか。

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バービーを生み出したルース・ハンドラーは、バービーとの人形遊びを通じて世の女の子たちが何にでもなれることを願いました。すなわち、女性には無限の可能性があることを象徴する存在であって欲しいとバービーは世に送り出されたのです。
素晴らしいですね。

今回のキャンペーンでは上記のバービーの本来の使命を消費者、特にミレニアル世代の母親たちに認知してもらうことがゴールでした。
しかし、広く浸透してしまったバービーの悪評を払しょくするには30秒のテレビCMでは足りないと判断され、以下2つの施策が行われました。

①見た人が気軽にシェアできるソーシャルメディア上の投稿
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バービーが本来どのような存在であるのか消費者に再認識させるために、#TBT*というハッシュタグをつけ、バービーが今まで経験してきた職業を紹介する投稿がバービーの公式Instagramに掲載されました。
例えば、1969年と言えばニール・アームストロングが人類で初めて月面着陸をした象徴的な年ですね。しかし、宇宙飛行士の服を着たバービーはその4年も前に発売されていたのです!
それだけバービーを発売するマテル社は女性の無限の可能性を信じていたということが伺えます。
今も昔も変わらぬ思いを伝えるべく、どの投稿もすべての女の子の持つ無限の可能性を祝福する意味で#YouCanBeAnythingというハッシュタグで締めくくられています。
*#TBT(Throw Back Thursday)とはInstagram等のSNS上に昔の写真を載せる際に使用されるハッシュタグ

②30秒のテレビCMよりも視聴者に大きな印象を残す2分の動画

YouTubeやFacebook上で公開されたこちらの動画では、 5人の幼い女の子たちが主人公です。
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“What happens when girls are free to imagine they can be anything? (女の子たちは自分が何にでもなれると知ったらどうするのか?)”という質問が視聴者に投げかけられます。

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女の子たちは大学教授、獣医、サッカーのコーチなど、それぞれ将来就きたい職業に扮し、大人相手に業務をこなしていきます。
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次に大学教授になっていた女の子が自室において同じシナリオでバービーとともに遊ぶ様子が映されます。
すべては彼女がバービーと遊ぶ中の想像上のものであったということを示唆し、彼女に夢を追うように背中を押したバービーの役割を視聴者に再認識させました。
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そして、最後にさきほどのInstagramでの投稿と同じように、“You Can Be Anything”というメッセージで動画は締めくくられています。

以上の2つの施策の結果、バービーの売上は2560万USD増加し、全米小売業協会(NRF)が実施した2015年のクリスマスシーズンの調査によると、5人に1人(21.2%)*が女児へのプレゼントとしてバービーを買うと答えたそうです。当キャンペーンは大成功だったと言えるでしょう。
*参考: Prosper Insights & Analytics(2015). Monthly Consumer Survey, Nov- 15

■プランナーの目のつけどころ
昨今は女性の社会進出が本格化し、「美しいだけの女性」をよしとしない風潮があります。そんな中、バービーの汚名を返上し、最終的には売り上げにつなげるという目的を持ちながら、ブランドを女性のエンパワーメントに関連させたのは社会的意義が大きかったのではと思います。
ちなみに、日本ではバービーというよりはリカちゃん人形の方が馴染み深いと思い、そんな彼女についても調べてみました。香山リカちゃんは「日本の少女たちがより身近に感じられるようなファッションドール」というテーマのもとに作られたそうです。あくまで着せ替えるだけの人形として作られたのですね。

冒頭でもおききしたように、女の子のロールモデルと言われてピンとくる人物とは誰かときかれる機会が再びあれば、「バービー人形」と答えてみてはいかがでしょうか?

執筆者紹介

須藤 三貴
I&S BBDO
コミュニケーションデザイングループ

sudo
香港生まれ東京育ち。
学生時代は観ている方に元気、勇気と笑顔を届けるべくチアリーディングに打ち込む。
現在は海外生活で培った柔軟な思考を活かし、意義あるコミュニケーションを創出すべく日々奮闘中。

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