はじめまして、デジタルプランニングチームの平木です。
このコラムは、デジタル界隈のトピックを調査して、独自の視点で揉みほぐして、お伝えしていきます。
今回は、スマホで見ない日はない「動画広告」をピックアップします!
動画広告は登場してから、市場は急速に拡大し、2020年には3,289億円にまで到達するとされております。
2023年には、2019年の2倍近くの規模となり、今後もさらなる成長を続けていくとの予測も・・・。
ますます目が離せない動画広告について、
そもそもな基本的内容から、実際に制作するにあたって、掲出するプラットフォーム(以下「PF」)別で注意するポイントまでを、まとめております!
(skipせず、ぜひ下の目次もご覧ください。)
【コラム目次】
■動画広告が普及したワケ
■動画広告が視聴のハードル
■各PFで最適な動画広告とは
■動画広告作成のススメ
■最後に
■動画広告が普及したワケ
動画広告が普及してきた背景を簡単にまとめると、
・高い処理能力をもつスマホの普及、LTEや4Gといった高速データ通信の技術向上に伴いデジタルシフトが始まる。
・外出先でも動画を高解像度で快適に楽しめるようになり、インターネットの利用時間のうち約半数の時間を動画視聴に費やすことが当たり前に。
・動画視聴が生活者に浸透してくると、巨大化したSNSメディアを中心に動画広告が採用され、動画を届ける環境も整ってきた。
+2020年春から日本でも5Gサービスが開始され、ますます動画広告が活用されやすい環境もさらに整備。
■動画広告の視聴ハードル
現在進行形で拡大している動画広告ですが、
動画広告を効果的に展開するにあたって、押さえておくべき動画視聴におけるハードルがあります。
テレビCMとの違いをもとに、2つ紹介します。
その1:視聴態度の違い
メディアの視聴態度が、大きく2つのパターンに大別でき、それを
リーンバック(Lean Back):テレビ →テレビCM
リーンフォワード(Lean Forward):PC、スマホ →動画広告
とよく呼んだりします。
テレビは、ソファーや椅子、畳の上でリラックスしながら、くつろいだ姿勢で視聴する傾向がある「Lean Back(後ろにもたれる)」なメディアと言われています。つまり、流れてくる情報を一方的に受動する姿勢で視聴しているということです。
一方、動画を視聴するデバイス(PCやスマホなど)は「Lean Forward(前のめり)」に利用するメディアと言われています。PCやスマホの場合、ユーザーは画面を注視して、必要な情報と不要な情報を無意識レベルでも振り分けながら利用しています。テレビに比べると、能動的な姿勢で映像を視聴していると言えます。
PCやスマホのように、目的を持って、能動的に情報を取りに行く(検索行動など)姿勢で見られているデバイスほど、
そこに不要な情報が出てきた時の不快度が強く、より「瞬時にスキップするかどうか」を判断されているのです。
その2:スキップ可能な広告フォーマット
動画広告には、スキップやスルーが可能な広告フォーマットが存在します。
例えば、
Youtube TrueViewのインストリーム広告は再生開始5秒以降に「スキップボタン」が出てきます。
Instagramではスクロールでフィード内の広告を飛ばして無視したりするといったことが可能です。(これをインフィード広告といいます)
(そもそも、広告を非表示設定できるPFもたくさん出てきてます・・・)
このように動画広告は、「興味ない」「必要ない」「不快」であれば簡単にスキップされてしまいます。
広告閲覧の主導権は基本的に視聴者サイドに。
動画広告を制作する上で、
これら①視聴態度の違い ②スキップ可能な広告フォーマット は常に念頭において、進める必要があります。
■各PFで最適な動画広告とは
デジタル動画広告の主要メディアとなるYouTube、Instagram、Facebook、Twitter、TikTokなどのPFでは、ユーザーの興味関心に応じて表示アルゴリズムが掲出するコンテンツを選んで、クリエイティブのパフォーマンスが高まるように最適化してくれています。
このようなPF環境下では、ユーザーに興味関心を持ってもらえる、共感してもらえる、
つまり、PFのルールに最適化したクリエイティブを作ることが必要不可欠になるのです。
今まで、広告会社のクリエイターが経験を元に培ってきた「コミュニケーションの定性的ノウハウ」と「PFの定量的ルール」を両面で把握し、
動画広告を構築していくプロセスが求めれています。
■動画広告作成のススメ
では、PF環境下で、ユーザーに興味関心を持ってもらえる動画広告とは、どのようなものでしょうか?
最後に、私が日々の広告会社での業務で経験したこと、PFが公開している検証情報、専門書籍や記事などから、
動画広告を掲出する主要メディア毎に、ポイントとなるような制作ルールをご提案させていただきます。
(ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。あと少しです。)
まず、大局を捕らえると、大きく3つの方向性があるかなと思います。
★共通する大ルール
(1)インフィードPFは冒頭インパクトがすごく大事!
平均1~2秒しか見られないインフィード広告では、とにかく指を止めてもらうことをまず第一の目標に。
(2)有声PFは音制作にこだわってみましょう/無声PFはテキスト表現にこだわってみましょう
PFゴトでユーザーが動画視聴する際の、音声環境が異なります。有声率の高いPFは、テレビCMと同じように音で印象に残す。
(3)スマホ視聴を意識して、何もかも、できるだけ、大きく!
動画広告はおよそ9割がスマホでの視聴です。制作した動画は自分のスマホで一度見てみることは不可欠です。
PF毎の動画広告作成において、注意するポイントの詳細が以下になります!
(ここからは、興味がない方は、skipしください!)
■YouTube TrueView
【1】まず秒数を決める
TrueViewがスキップされるまでの平均時間は5~7秒程度と算出されてます。
視聴完了されるかで広告効果は大きく変わってくるので、伝えるべきものがちゃんと伝わる最小秒数にこだわってみましょう。
【2】音から作る
95%の音声再生率があるので、音声・BGMは非常に大事。
ただし、BGMは場合によっては音を弱くする。
音声はきれいなナレーションではなく、しゃべらせたほうが効果がよい。
■YouTube Bumper
【1】6秒尺は音から作る
95%の音声再生率があるので、音声・BGMは非常に大事。
6秒尺なので、音だけ記憶に残すぐらいの力の入れようでもよい。
【2】伝えるポイントは1つ
伝えられる情報には限りがある。伝えきれる構成を。
【3】シリーズで構成
さまざまな切り口からメッセージを伝え、大きなストーリーを作り上げる。
ユーザーに商品について、立体的に認知・理解を促せる。
■Facebook
【1】冒頭インパクトで指を止める
利用者が1つのコンテンツを見る時間はスマホで平均2秒もありません。
冒頭でユーザーの指を止めるインパクトを与えられる構成にしよう。
【2】とにかく大きく
片手に収まるスマホ画面での勝負において、大きさはかなり重要。
見せたいもの、伝えたいものは大きく撮影し、ダイナミックに構成要素を使う。
テキスト、ロゴ、出演者の表情は、思い切って大きく配置!
【3】無音でも伝わる表現を
Facebookはデフォルトが無音再生なので、無音でも伝わる内容に。
重要なナレーションや、セリフには字幕をつけるのを忘れずに。
■Instagram Stories
【1】冒頭インパクトで指を止める
利用者が1つのコンテンツを見る時間はスマホで平均2秒もありません。
冒頭でユーザーの指を止めるインパクトを与えられる構成にしよう。
【2】シーン展開を素早く
ストーリーズでは、コンテンツの切り替えスピードがフィードよりも早い。
展開に長い時間をかけてしまうと離脱するリスクが上がります。
最大インパクトで指を止めたら、すぐに次の画面に移って情報を五月雨に打ち込む。
【3】タテを最大限活用
「タテ」であることを最大限に意識する。
横に動く素材はすぐに見切れるため、撮り方から変えよう。
横の素材しか無ければ、構成で縦にするように工夫。
■Instagram Feed
【1】冒頭インパクトで指を止めろ
利用者が1つのコンテンツを見る時間はスマホで平均2秒もありません。
冒頭でユーザーの指を止めるインパクトを与えられる構成にしよう。
【2】とにかく大きく
片手に収まるスマホ画面の世界において、大きさはかなり重要。
見せたいもの、伝えたいものは大きく撮影し、ダイナミックに構成要素を使う。
テキスト、ロゴ、出演者の表情は、思い切って大きく配置!
【3】無音でも伝わる表現を
Facebookはデフォルトが無音再生なので、無音でも伝わる内容に。
重要なナレーションや、セリフには字幕をつけるのを忘れずに。
■Twitter
【1】冒頭インパクトで指を止めろ
利用者が1つのコンテンツを見る時間はスマホで平均2秒もありません。
冒頭でユーザーの指を止めるインパクトを与えられる構成にしよう。
【2】とにかく大きく
片手に収まるスマホ画面での勝負において、大きさはかなり重要。
見せたいもの、伝えたいものは大きく撮影し、ダイナミックに構成要素を使う。
テキスト、ロゴ、出演者の表情は、思い切って大きく配置!
【3】無音でも伝わる表現を
Facebookはデフォルトが無音再生なので、無音でも伝わる内容に。
重要なナレーションや、セリフには字幕をつけるのを忘れずに。
■TikTok
【1】冒頭インパクトで指を止めろ
利用者が1つのコンテンツを見る時間はスマホで平均1.7秒しかない。
冒頭でユーザーの指を止める魅力・インパクトを与えられる構成を意識しよう。
【2】声と速いテンポの音で伝える
95%が有声再生なので、音声・BGMが非常に大切。
TikTok音源は原曲からピッチを上げたものが多いので、ややテンポを速める。
【3】タテを最大限活用
「タテ」であることを最大限に意識した素材・構成に。
TikTokならではの編集エフェクトを活用しユーザーに受け入れやすい動画に。
■最後に
ここまで、動画が普及した背景、テレビCMとの違い、PFゴトの制作ポイントを考えてきました!
変化の激しいデジタル業界において、PFで最適な動画広告も、プラットフォーマーのアルゴリズムルールに応じて変化します。
そして、それに、われわれ広告会社の人間はついていかなければなりません。
今後とも、デジタル領域のトピックスを、こちらで発信できれば思います!
では、また!
(読了いただき、誠に誠に、ありがとうございました。)
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